子供の年齢によっての親権


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子供の年齢によっての親権

話し合いで決まらない場合は

話し合いで決まらない場合は

親権者の決定をするとき、まずは夫婦で話し合いを行います。
当事者同士の話し合いでは、親権者の決定方法の決まりがないため、夫婦によって様々です。
そのため、子供の年齢が小さくても夫婦間で納得して決めたことであれば、父親でも親権を獲得することができます。
当事者同士での話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所で離婚調停や審判を申し立てなければなりません。
まずは調停を行いますが、不成立の場合は自動的に審判手続に移行します。
調停や審判で親権の帰属が問題とされる際、子供の年齢が関係するのかといった疑問を持っている人もおられることでしょう。
父親でも親権を獲得したいと思っている人も少なくありませんが、家庭裁判所が関与して真剣が決められる場合には、子供が幼いと、当面の子供の生活を考え、母親が親権を獲得することが多いです。

幼い子供は母親が親権者になるケースが多い

幼い子供は母親が親権者になるケースが多い

ではなぜ、裁判所が関与すると、子供が幼ければ母親が親権を獲得することが多くなるのでしょうか。
裁判所での親権者決定基準は、父母のどちらが子供の利益(子の福祉)に適合するかです。
一般的には子供の年齢、意思、性別、心身の発育状況、兄弟姉妹関係、環境の変化による影響、親や親族との情緒的結びつきなどの事情業が総合的に勘案されて親権者を決めることになります。
それを踏まえて子供が幼い場合を考えてみましょう。
乳児の場合は、母親が授乳をしたり、おむつを替えたり、寝かしつけるなど1日中子供に付きっきりで面倒をみなければなりません。
そのため、乳幼児は母親が親権者として指定されることが多い傾向にあります。
未就学児であっても、1日中、身の回りの面倒をみなければならないため、母親が親権者になることが多いです。
このように、乳幼児や未就学児の場合に、母親が親権者として指定されることが多い現実を踏まえて、家庭裁判所では母性優先の原則が働いていると言われております。
しかし、母性優先とは言え、あくまでもそれは一般的傾向でしかないわけで、実際に母親よりも子育てに関わる時間が父親の方が多いというような場合には、乳幼児であっても父親が親権者とする裁判例も少なくありません。
このようにいうと、忙しい中で保育園の送迎もやっているし、日曜日には子供の面倒を自分がみているのだ、俺も親権を取れるのではないかと思われる方もあるでしょう。
しかし自他共に認めるイクメンであったとしても、やはり母親の方が子供に関わっている時間の方が圧倒的に長い場合が普通なのです。
現在の平均的な家庭生活の実態を踏まえる限り、家庭裁判所の母性優先の原則はまだまだ当分、揺らぐことはないと思います。
他方で子供の意思が明確になってきます。
そして、子供が母の元で生活し続けたとしても、父の元で生活し続けたとしても、子供が生活する環境に優劣がないと判断された場合には、子供の意思が最優先されるようになります。当然、母親よりも父親が親権者になってくれた方がよいという希望を表明する子もいるわけで、そのようなとき父親が親権を確保することができるわけです。