TOP > 借地、借家、離婚調停など法律についての基礎知識 > 借地や借家トラブルに関する基礎知識 > 賃貸人と賃借人、それぞれの権利義務とは?
不動産の賃貸借契約を結んだ際、
賃貸人・賃借人が持つ権利や義務には
どのようなものがあるのでしょうか?
貸主が借主に対して負う義務としては
@その土地、建物を貸主に、使用・収益させる義務
Aその土地、建物を貸主に、使用・収益するために必要な修繕を行う義務
B賃借人が必要費、有益費を支出した場合の費用償還義務
の3点があります。
借主が貸主に対して負う義務としては
@賃料の支払い義務
A賃借権の無断譲渡や無断転貸をしない義務
B賃借物に対する善良な管理者としての保管義務
C建物修繕等の通知義務、契約終了後に原状回復したうえでの返還義務
の4点があります。
この中でトラブルに発展しがちなのが
「借主の原状回復の義務」です。
借主は、建物の賃貸借契約終了後、
退去の際に原状回復をさせた上で
貸主に建物を返還する義務を負っています。
この原状回復の範囲は、借主が入居後に持ち込んだり、
取りつけた物の撤去と、借主の過失などによって
建物に与えた損害の補修を行う事を指します。
そしてこれらの補修にかかる費用は
借主が入居時に払った敷金から清算されるのが一般的です。
ただ畳や襖、壁、天井、床などの
設備の経年による日焼けや変色、消耗については
賃借人が通常通りに使用しているだけでも生じるものであるため
原状回復の範囲には含まれません。
しかし、実務においては
こうした原状回復義務に於ける性質や範囲の誤解が多く
原状回復義務と敷金の清算におけるトラブルは後を絶ちません。
こうしたトラブルが起きた際は、当事者同士だけでなく
専門家に相談することをお勧めいたします。