訴訟を起こす前に聞いておきたい民事訴訟の流れとは?
民事訴訟の始まりと口頭弁論まで
民事訴訟は「原告」となる訴えを起こそうとする人または弁護人が裁判所に「訴状」という書面を提出ことで始まります。
訴状には当事者の氏名や住所など基本情報、どんな判決を求めるか(請求の趣旨)、
その裏付けとなる事実(請求の原因)を記載します。
また、裁判を起こすための手数料として訴状の提出時に決められた金額の収入印紙を貼付することが必要です。
提出された訴状は担当裁判官によってチェックされ、
問題がなければ「被告」となる訴えられた人に訴状の副本が送られます。
同時に口頭弁論期日が指定されて原告と被告の呼び出しが行われます。
訴状に不備がある場合原告は不備を直すことを命じられます。
訴状を受け取った被告は請求の趣旨に対する答弁や、
訴状に記載された事実に対する認否や抗弁事実などを記載した「答弁書」という書面を提出します。
答弁書が提出されないまま第1口頭弁論期日に被告が欠席すると欠席判決となって被告に不利な内容の判決が言い渡されることがあります。
口頭弁論から訴訟の終了まで
口頭弁論では原告と被告本人またはその弁護士が出頭してあらかじめ裁判所に提出した準備書面をもとに主張を述べ、主張の裏付けとなる証拠を提出します。
この時、原告と被告の双方の主張や証拠に矛盾点や不明確な部分があれば裁判長から質問があったり、次回期日までにその点を明らかにするよう準備することを命ぜられます。
また証拠の取調べや証人尋問などの証拠調べも行われます。
訴訟の終了は当事者が訴訟を終わらせる場合と裁判所の判決によるものの二つに大別されます。
当事者が訴訟を終わらせるケースには原告が訴えを取下げたり、
請求を放棄する場合、被告が原告の請求を認める場合、訴訟上の和解が行われる場合があります。
当事者間で合意に至らない場合は裁判所の判決で決まります。
言い渡された判決に対して不服がある場合には定められた控訴期間内に控訴することができます。
控訴期間内に控訴が申し立てられないと裁判は確定となり訴訟は終了となります。