補足説明

*1 セカンドオピニオンに対する姿勢

 弁護士に対する法律相談に際してセカンドオピニオンというときは、既に別の弁護士に対してご相談、ご依頼している案件についての他の弁護士の見解、評価のことを意味します。
 弁護士も、十人十色の個性を持ち、価値観もばらばら、案件処理の方法論もそれぞれですので、今、ご相談している弁護士、ご依頼している弁護士の考え方、進め方でよいのか、他の弁護士の意見も聞いてみようと思われることは少なくないと思います。
 しかしながら、ご相談者、ご依頼者がセカンドオピニオンを得ようと他の法律事務所、弁護士と連絡を取っているということは、現に案件を担当している弁護士にとっては、依頼者が不信感を抱いている、信頼関係にひびが入っていると思わざるを得ない状態なのです。せっかくよかれと思ってセカンドオピニオンを得たとしても、担当弁護士との意思疎通に疑心暗鬼を来たし、うまくいくはずの案件もうまく進まないということになることさえ起こりえます。
 従って、当事務所では、法律相談がセカンドオピニオンの提供に当たる場合には、現在、担当して頂いている弁護士に事前に他の弁護士、法律事務所にセカンドオピニオンを求めたい旨、申し入れをして、その承諾を得ていることを確認させて頂きます。

*2 経済的利益の考え方

 経済的利益とは、弁護士報酬を決めるときの基準となる金額のことです。
 実際には、弁護士の側でもどう考えるべきか悩ましいときがあるのが現実ですが、典型的な案件の場合にどのように考えるのか、以下にご紹介いたします。

(1)金銭請求の場合 

 請求する(請求されている)金額

(2)継続的給付債権の場合
 (マンションの管理費、家賃・地代の増減額請求、婚姻費用、養育費など) 

 請求できる(請求される)金額ですが、その上限は7年間分です。つまり実際には3年間分しか請求できない(請求されない)ような案件では、3年間分の合計金額に留まることは当然です。 

(3)所有権の帰属をめぐる案件(建物以外の場合)

 対象たる物の時価相当額

(4)建物についての所有権の帰属をめぐる案件

 対象たる建物の時価相当額に、その敷地の時価の3分の1に当たる額を加算した額  

(5)地上権、永小作権、建物以外の占有権、賃借権及び使用借権に関わる紛争

 紛争の対象となっている権利の時価相当額または、その対象となる物の時価の2分の1に当たる額のいずれか高い方の額

(6)建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関わる紛争

 紛争の対象となっている権利の時価相当額または、その対象となる物の時価の2分の1に当たる額のいずれか高い方の金額に敷地の時価の3分の一に当たる金額を加算した額

(7)地役権に関する紛争

 承役地(紛争対象の地役権が設定されているとされている土地)の時価の2分の1の額

(8)担保権に関する紛争

 紛争の対象となっている被担保債権の金額。但し担保割れしていて担保の価値が紛争の対象となっている被担保債権の額に及ばないときには担保の時価相当額。

(9)登記手続請求事件

 それぞれその登記手続の目的によって、(3)から(8)に準じた額

(10)共有物分割請求事件

 対象となる共有持分の時価の3分の1の額

(11)遺産分割請求事件

 対象となる相続分の時価評価額